今回のシナリオは引き出しの中身様より【籠が開かれたら】を使用しました。上のサイトでは上質なシナリオがフリーで使用出来るので、何回も使用させてもらってます。
PC作成の前に、今回のシナリオの導入に出てくるNPC 川原佳代子(女・21歳・メガネ)の説明をします。そして彼女との接点を考えてもらいます。
KP「接点以外にも、原川佳代子をPCとして参加する事は可能です。また川原の存在を消して、別の探索者で上書きしても大丈夫です」
PL「上書きってことは消えるんですよね」
KP「はい、消えます」
PL「うーん、この娘はメガネ掛けてるんで消すのは勿体ない」
おお、なるほど。
PL1「ねぇ、川原佳代子の兄とかダメ?」
KP「面白いですね。いいっすよ」
PL2「じゃあ私は親戚で」
KP「いいっすよ」
KPのいいっすよ連発で、川原家には親族が2名ほど増えました。
出来たPCは以下になります、
PC名:川原 一輝(川原佳代子の兄)
年齢:26
職業:聖職者(仏教、なまぐさ)
動機:傲慢
PL:おろ
PC名:秦 明日香(川原佳代子の母方の親戚)
年齢:24
職業:軍人(自衛隊)
動機:冒険心
PL:みみみみ
PC名:山城 京介
年齢:25
職業:作家
動機:好奇心
PL:ヤス田
PC名:南原 純彦
年齢:52
職業:科学者
動機:功名心
PL:しだ
以下、ネタばれあり。
以下、ネタばれあり。
川原佳代子の兄である一輝は、生臭坊主になりました。高潔な性格だと動きづらいというのが理由です。そして制作中に他PLのくだらんチャチャ等が入り、とてもヤバ目な探索者に仕上がりました。
楽しいPCを作成して、プロローグ開始。
シナリオ開始の季節は夏。生臭坊主である一輝は両親から電話を貰います。妹の佳代子が就職活動中に一輝の近くへ寄るので、面倒を見てやってほしいと頼まれます。一輝は二つ返事で引き受け、更に良いタイミングで他の探索者がやって来ます。
全員合流。NPCの佳代子は兄以外の人たちを見て、開口一番、目に涙を浮かべてこう言いました。
佳代子「皆さん、兄が、いっつもご迷惑をおかけして、本当に、申し訳ありません……!」
今回のシナリオは、妹の謝罪から始まりました。まだ何もしてない兄の一輝ですが、初期作成のPCの性格なんてライブ感覚で作られるのです。
明日香「やっほー佳代子ちゃん、明日香だよ。久しぶりー」
佳代子「?」
明日香「えーっと……親戚の明日香だよー」
KP(おっと、兄の存在感が凄すぎて親戚の明日香の設定忘れてた)
KP「佳代子はとても格好良くなった明日香にビックリしてますね。(これで誤魔化したれ)」
そんな勢いのままセッションを開始。【6.少女を連れて】のシーンを開始させます。
KP「えーと少女の言う事には、一輝を訪ねて来たんだとか。んで一輝はこの少女を知ってます。徳見家のお嬢様ですね」
NPCと舞台の詳細を説明し、シナリオを進めます。
一輝「よし、それなら徳見家にこの子を送ろう。みんなも付いて来てくれ。今の時期だと面白いお祭りやってるよ」
他PC「うっす」
ここで本気になって拒否する人はうちのメンバーに居ません。居させません。
こうして妹の佳代子を残して徳見家へ向かおうとしたのですが(GM曰く、NPCの役割は冷淡に処置するべし)しかし明日香が待ったをかけました。
明日香「連れていくのは11歳の女の子でしょ。PCは全員男ばかりなので、お世話役に佳代子を連れて行ってあげたいんですが」
KPは、この申し出に、感動してます。なんて優しい提案なんだ。NPCを個人でなく舞台装置として扱ってた僕は目頭が熱くなりました。
こうしてNPCの佳代子を加えた一同は、徳見家へ向かうことになりました。
その前に、少女のお願いで遊園地へ行くイベントをはさみます。これはエンディングの演出に必要らしいので、KPは頑張ります。聞けPL共、オッサンKPの迫真のロリボイスを。かわいいか?かわいいだろ。かわいいと言え。
間違いなくかわいいイベントを終え、いよいよシナリオの舞台である徳見家へ出発します。

【シーン8.籠祭りの夜】
ここでもう一人の少女と会いますが、まだ何も情報が出てないのでPCはシナリオに身を任せます。
【シーン9.徳見家の人々】
少女を徳見家に引き渡し、シナリオ終了。みなさん、お疲れ様でした!
……と言うのは面白くないので、以後は自発的にPCに行動を起こしてもらいます。んで僕のプレイスタイルですが、こういう時はメタ的にPLと話すことが多いです。依頼はないけど、事件を解決してほしい。事件らしいものは起きてないけど、シナリオ解決のための動機を作って欲しい……てな具合です。
と言う訳でPCは、徳見家の謎を探ることにしました。ここで帰るPLはうちのメンバーに居ません。居させません。そして動機としては、祖父の徳光を探すと言う事にしてもらいました。
【10.集会所の資料室】、【11.川原俊光の家】、【12.籠の蔵】のシーンをこなして、徳見家の情報を集めます。その情報とは、徳見家の儀式のためにあの少女が生贄になると言う恐ろしいモノでした。これを阻止すべく、PCは深夜に儀式の舞台である島之池へ向かいます。
時系列ですが、PCは徳見家より先に島へ上陸した事になりました。そうなると【15.ニョグタの部屋】での演出がおかしな事になってしまいます。(ここら辺はちょっと分かりにくかったです)
なので総合性を合わせるために、PCのすぐ後に徳見家を島へ上陸させる事にしました。
KP「ほこらを進んでる君たちですが、背後から複数の足音が聞こえてきました」
PL「隠れて様子を見ます」
KPに促され技能ロールを行います。判定は成功。PCは無事に隠れる事に成功しました。
KP「足音の主は徳見家の一味だね。ご夫婦に使用人3人に少女が2人の計7名です。んで奥様が行き止まりになってる壁に手をかざしたら、なんと壁が消えて通路が表れました。徳見家は通路を進んでいくよ」
PC1「もう我慢できないよ!さっさと殺そうぜ!」
PC2「少し待とうよ」
血気を抑えてとりあえず様子見。なので【16.徳見家との対決】のシーンを開始します。ここまでくると流石に「なんかヤバそうな儀式やってんな」となります。これ以上の様子見は出来ないと判断し、PCは奇襲を仕掛ける事になりました。奇襲の対象は、儀式を行ってる奥様です。
KP「うん……そうなるよね。真っ先に魔女っぽいのを狙うよね。しかもこの奇襲は成功する可能性は高いよね」
KPは困りました。何故ならシナリオには、こう書かれてます。
キーパーは徳見幸恵1をなんとしてでも洞窟の外まで逃がしてください。
KPの権限を使えばそれは可能です。もっともらしい説明も、付け加えられます。
しかし、とKPは思います。シナリオに沿うことも大事ですが、それと同じくらいPLの意思や行動を尊重したいです。PLは自分達の立てた作戦で、悪い魔女を背後からグッサリやりたいのです。背後からグッサリ→作戦成功→ハッピーエンド。これはとても気持ちが良いに違いありません。
KP「(ええい、TRPGはナマモノだ。ここで魔女が死んでもアドリブで何とかしちゃる)」
KPは決意しました。シナリオの意に反して、ダイスの結果次第で魔女を殺してもいい事にしました。しかしこの判断が、のちに恐ろしい事態を招くのです。
結果、PCの奇襲は成功し、魔女は応戦する間もなく気絶しました。それと同時に使用人達の動きが止まります。使用人はゾンビであり、魔女の奥様が命令せねば動かなくなる……と言う事にしました。
PC「よっしゃ!大将の魔女を気絶させたぞ!あとは夫だけだな!」
PCは鼻息荒く夫に襲い掛かろうとします。しかし夫は戦闘の意思はありません。それは何故か?KPは説明します。
KP「夫はこの状況を絶望的だと判断してます。自分1人で武器持ちの4人にはまず勝てない。そして自分が負けたら、妻である魔女が助かる事はない。それならばと別の可能性にかけます」
夫はPC達に言いました。自分達の仲間になる気は無いか?と。何と夫はPC達を勧誘して来たのです。魅惑的な報酬を約束しますが、それに乗るPCではありません。勧誘を拒否して夫を殺そうとします……ただし、一名を覗いて。
PC2「うーん、これもしかしたら改心する可能性は無いかな?だって残された少女、娘の事を考えれば、簡単に殺す気にはなれないよ。夫婦は改心して、娘と一緒に仲良く暮らしていくのが一番のハッピーエンドだと思う」
おお、なんて優しいんだ。KPは感動しました。KPの心がジーン、ホワホワとしたので、こりゃ改心ENDもありかなと思い始めました。
いや無理だ。KPは首を横に振ります。このNPCが改心するなんてありえない。生かして置いたらまた悪さをする。このNPCは、そういう設定に作られてるのだ。
夫の処置をめぐり、PLは話し合いを始めました。その結果、この夫婦、特に魔女が改心するのは無理だと判断しました。その理由はゾンビ達です。このような残酷な方法を取る魔女は、もう手遅れだと判断しました。
KP「ええと、勧誘を拒否するんだね。そうすると夫は刀で切腹しようとします。奥様、お供しますと言いながらね」
しかしここでKPの意地悪が発動します。なんと二人の娘が夫に抱き着いたのです。お父さん、お母さん、死なないでーと言いながら抱き着いたのです。
PC「うわ、何でそんな事すんの?」
理由は三つ。
1.そうなるのが自然だから。
2.KPが楽しいから。
3.もひとつおまけに、KPが性的に興奮するから。
KP「いいですか皆さん!この娘達はね、君達がお母さんを殺そうとしたのを見てますよ。いきなり背後から襲い掛かって、凶器で滅多打ちにしたのをね!そしてお父さんまで殺そうとしてるのも知ってます!(正確には違うけどまぁいいや)」
はい、そうなんです。ここで魔女を倒したら、とても面倒臭くなるのです。【イベント17.解き放たれた神】が無くなるだけはありません。こんな純粋な少女達の目の前で、両親を殺害する羽目になるのです。
とは言っても、この夫婦を生かす事は出来ません。PCは泣き叫ぶ少女たちを無視して、夫に自害を進めました。
夫は娘達の前で、刀を鳩尾に突き立てます。そして苦痛に顔をゆがめながら、刀でお腹を十字に切り裂きます。それは見事な切腹でした。
泣き叫ぶ少女達を横目に【18.元の姿に】を始めます。2人のうち、1人の少女の姿が消えていきます。KPは消えゆく少女を演じながら、シナリオに書かれてるセリフを読み上げます。
KP「ええと、消えゆく少女は言います。
『私はいなくなって、あなただけになってしまう。あなたが本当の私みたいだから……けど、私とあなたは同じじゃない。私は一輝さん達と 一緒にいっぱい楽しいところで遊んで……』
あれ?なんか今の状況と違うぞ。このセリフが今の場に相応しいか?目の前で両親が死んだんだぞ。KPしっかりしろ!シナリオの棒読みはやめろ!
とは言えここで恨み言のセリフを言わせるほど、KPの心臓は強くありません。アドリブ好きなくせに狼狽えやすいのが、一二三んというKPなのです。
最後のイベント【19.大円満】を終えてセッション終了。……大円満?いや、これは間違いなく大円満。みなさん、ありがとうございました。
感想ですが、各所にPLの優しさが感じられた素敵なセッションだと思いました。少女の為にNPCの佳代子を連れて行ったり、夫婦を助けようとしたり。最後はまぁ、あんな感じになりましたが、TRPGはナマモノだと言う事で一つ勘弁をお願いします。
ちなみに僕個人の考えですが、強制的にシナリオに這わせるより、PCの判断でシナリオが作られる方が素敵だと思います。もちろんそれは一つ間違えば大惨事を引き起こしかねない、危険な考え方です。しかし勝手知ったる仲間同士、僕達なら大丈夫です。
みなさん、また次回もよろしくお願いします。
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