今回はクトゥルフ神話TRPGのシナリオ 【杉山屋敷怪異譚】をプレイします。ただしシステムはトレイル・オブ・クトゥルーで行います。

クトゥルフ神話TRPGとトレイル・オブ・クトゥルーは互換性は高く、お互いのシナリオをコンバートして遊べます。そのやり方もルルブに載ってます。
今回のシナリオはネットで無料公開されてある……かつプロの作家が書いてある、とても素晴らしいシナリオです。
引き出しの中身 様
僕自身は『
上質なシナリオは基本ルールブックより価値がある』と思ってる人間なんで、本当に助かります。
前回のシナリオ キングズベリーの怪異 では難解な文章に頭を悩まされました。いや本当に分かりにくかった。
イギリス人め。 でも今回のシナリオでは、そんな事はありません。面白い以外にも、分かりやすく書かれてます。分かりやすいのはとても良い事です。幸せです。
と、幸せを感じながらPC作成。
PC名:辰巳洋介
PL:T
職業:考古学者
動機:好奇心
PC名:矢島 久三
PL:M
職業:犯罪者
動機:不運
PC名:高橋 透
PL:H
職業:医師
動機:友情
以下、ネタバレあり。
以下、ネタバレあり。
PC作成の前に……。
今回のシナリオで有効になるであろう技能の告知。及び場合によっては戦闘が発生する可能性がある。そんな説明をしてる時でした。
PL「拳銃欲しい!拳銃欲しい!暴力が全てを解決するんだ。それは現代日本シナリオでも変わらないのだ」
KP「違法な武器が欲しいなら<裏社会>等の相応しい技能を持って下さい。また自身のPCがソレを持ち歩く理由づけもお願いします。そして沢山撃って下さいね」
PL「やったお!」
PC作成は明るく楽しくがモットー。楽しんでるようで何よりです。
KP「ただし違法な武器を使用する場合は注意を払ってくださいね。舞台は現代日本なので、場合によってはリスクがあります」
PL「バッキュン!バッキュン!」
僕は これは是非とも街中で発砲してほしいな と思いました。PCがピンチになると僕は興奮するタチなんです。しかもそれがPC自身のロールプレイによって引き起こされたなれば猶更です。
街中での発砲はありませんでしたが、似たような事件は起こりました。何かというと、PCが違法行為を行って、NPCに不信感を持たれる様な事件です。
それはイベント 9.深夜の悲鳴 での出来事です。
佐藤の部屋から悲鳴が聞こえ、探索者とNPCはドアを開けようとします。しかし鍵がかかっており、開けられません。
考古学者「じゃあ、体当たりでぶち破りますね」
犯罪者「待って下さい、鍵開け技能を使います」!?
KP「えっと、この場合の鍵開け技能ってのは、ピッキングの事だよ。ほら、ソードワールドで盗賊道具でやる開錠と同じやつね。人前で、それやりたいの?
ここはアレクラスト大陸でもラクシアでもない、現代日本よ。しかも君は、堅気の職業を偽ってるんだよ」
犯罪者の表の職業は医師(PC)の部下となってます。なお上司の医師も、犯罪行為に手を染めてる医師(闇医者)です。
KP「ピッキングは、お医者さんが使う技能ではないけど、いいの?」
犯罪者「緊急事態なんですよ!」考古学者「いや、扉蹴破ればいいやん。つーかそれをNPCが見てる前でやっちゃあかんやろ」
とは言われても犯罪者の決意は固く、鍵開けを開始します。彼は皆が見てる中でカバンからピッキングツールを取り出し、それを鍵穴に差し込みました。これには一同ビックリ。
NPC金谷「き、きみ。これはニュースでお目にかかる、泥棒の道具かね?何てものを持ち歩いてるんだ」
犯罪者「趣味ですけど?つーか違法行為には興味ありませんが」NPC藤田「めっちゃワロスww」
犯罪者の上司である医師にも、質問が飛びます。
医師「いや、知らない。彼とは仕事上の付き合いしかない、他人だ。無関係だ」
犯罪者は人助けのために必死です。しかしPC達は誰一人彼をフォローしません。そしてNPCの不信感が高まってます。
KPはとても楽しくなりました。
犯罪者「緊急事態なんですよ!何で不信感を持たれるんですか!?」 僕は 普通 という言葉はよく分かりません。しかしこのNPCの反応は、ごく普通だと思います。
犯罪者「……もしかして俺、またやっちゃいました?」 またと言わず、どんどんやってほしい。僕はそれを拾いますんで。はい。
せっかく取得したものは使いたい。使用して誇示したい。それは技能でも拳銃でも。
だからでしょうか。武装したPCが武力行使を……拳銃を使用するのは必然でした。
拳銃を使用したシーンは 12,消えた女主人と残った客 です。
PC達は杉山に不信感を覚え、今後の対応を話し合いました。そこに二人のNPCが提案をしてきます。
NPC金谷は、外へ出て杉山を探そうと提案しました。
NPC藤田は、屋敷の中へ残ろうとしました。(なお色仕掛けは失敗しました)
PCは悩みます。悩んだ結果、考古学者と医師が金谷と一緒に外へ行き、血の気の多い犯罪者は藤田を監視することにしました。
分散してるけどいいんですかね?うーん、きっと武器の存在が気を大きくしたのでしょう。
1人になったと思った藤田は、不審な行動を開始します。犯罪者はそれを尾行しようとしますが、ダイス目が悪く尾行に失敗。犯罪者は藤田に、銃撃を受ける事になります。
犯罪者も拳銃で撃ち返しますが、ここでもダイス目が悪く撃ち合いに負けます。犯罪者は悲鳴を上げて二階の窓から飛び降り外へ逃げ出しますが、着地に失敗して無様に転がってしまいます。
そこに藤田の追い撃ち、追い射撃、無慈悲な銃撃。 哀れ犯罪者は、穴だらけになってしまいます。でもまだ死んでません。
KP(トレイル・オブ・クトゥルーのPCはしぶといな。クトゥルフ神話TRPGだったらとっくに死んでるのに)
銃声を聞いた金谷も行動を開始します。一緒に行動してるPC二人に襲い掛かりますが、多勢に無勢。無様に返り討ちにあいます。
PC二人はその勢いに乗って、ついでに藤田もやっつけます。おお、アクション満載。これがガムシューか。
こうしてPC達は無事に事件を解決しました。美しい朝焼けを見ながら、残骸となった杉山屋敷に思いを寄せてセッション終了。一緒にプレイした皆さん、ありがとうございました。
あと、シナリオに沿う形での犯罪者プレイは楽しいですね。僕もやってみたいです。
今回は昨年の12月に出たばかりの新しいTRPG【トレイル・オブ・クトゥルー】のレポです。
このTRPGは、製品の紹介文に惹かれて買いました。
処理が簡単、キーパーも探索者も物語に没頭できる「ガムシューシステム」 TRPGの楽しみ方はそれぞれありますが、僕はどちらかというとロールプレイに趣を置きます。数値をにらめっこして戦略を練るのも楽しいですが、やっぱり友達と会話をして物語を作り上げる方が好きです。
ぬるくなったコーヒー片手にルルブを開きます。ルールの処理が簡単と紹介されてますが、たしかに簡単でした。ダイスは六面一つで事足りますし、判定の計算方法は足し算だけです。
また個人的に良いなと思ったのが、キャラクターシートに能力値とアイテム欄が無かった所です。特にアイテム欄が無い所が良いです。
ホラー物TRPGでは、矢鱈と買い物に拘るKPやPLは多いです。備えあれば患いなしの気持ちは理解出来ますし、絶体絶命の状況をアイテムで打破するのは痛快ですが、それがセッションの進行に支障をきたす程に入れ込むといけません。
んでトレイルではアイテム欄が無いので、そう言う煩わしさから解放されました。なるほど、これは物語に没入できますね。

物語に没入するたのめPCを作成。舞台は1920年代のアメリカです。
PC名:ギデオン
PL:Y
職業:記者
動機:好奇心
PC名:アーナー
PL:オロチン
職業:私立探偵
動機:好奇心
PC名:ジョー
PL:M
職業:古物商
動機:古物趣味
PC名:ランブル
PL:T
職業:医師
動機:退屈
初のシステムなので戸惑う個所もありましたが、基本的にはサクッと作成出来たと思います。<運動>が苦手だと<逃走>が得意になるとか「ん?」ってなる説明もありましたが、そこは気合で何とかします。頭で考えずに心でルルブを読むのです。
以下、ネタバレあり。
以下、ネタバレあり。
サンプルシナリオを読み終えて、僕は思いました。
分かりにくい。とにかくめっちゃ分かりにい。 分かり難い理由なんですが、主に三つあります。
①.説明の文が飛び飛びになってる所
②.説明弱すぎる所
③.小説風な文章で、説明としては不適当
先ずは
①.説明の文が飛び飛びになってる所
を例にとります。
例えばポン引きの所で見つかる3枚の写真。日本産のシナリオならば
・いつ ・誰が ・どこで ・何の目的で
を簡潔に説明してくれてます。でもこれはそうじゃありません。
・いつ:説明なし
・誰が:説明なし
・どこで:最後に説明ある
・何の目的で:説明なし
説明不足甚だしいです。(せめて写真の男が犯人だと一番に書いて欲しい)
当然、セッション中でも突っ込まれました。
PL「なぜアル中のポン引きが、隠し撮り写真持ってるんですかね?ちょっと尋問します」
KP「(来たか……)ええとポン引きの言う事ではね。自分が撮ったと言ってます。何でも脅すネタに使う予定だったとか」
PL「ん?この震えてる支離滅裂のアル中がですか?なんか変ですね」
うるへー、でも第三者が撮ったとなるとシナリオがこんがらかるから、もう全部こいつのせいにしたんだよ。
KP「カメラも見つけました。こいつで間違いなさそうです。いや、間違いない」
PL「あっ(察し)」
PLの皆さんが良い人達で助かります。また同じように分かり難い理由として
②.説明弱すぎる所
これも多いです。例えばキ〇ガイなギリシャ人。いや前後の文章から推測すると、おそらく過去の時代の人間なんだと分かるんですが、それをあえて説明せずにぶん投げてる理由が分からないのです。
僕は「あれ?読み飛ばしたかな?」と何度か読み返しました。んで説明省いてることが分かると「ええいイギリス人め、ウォーハンマーTRPG4版の説明も分かり難かったぞ」となり、混沌ポイントを貯めたのです。
③.小説風な文章で説明する
例えばNPCの紹介。冒頭でまとめて紹介してくれればいいのに、何故か分散させて紹介させます。
三枚の写真に写る謎の男参上
(中間)
実はポマード男の正体はコイツだった!
(中間)
過去にこんなことがあった!
(中間)
謎の刺青の謎とは!?
こういった飛ばし飛ばしでの説明は勘弁してほしい。読物としては良いかもしれませんが、説明としては非常に分かり難いです。
なぜこんな文章にしたのでしょうか?シナリオを読む人に楽しんで欲しかったのでしょうか?その気遣いありがたいですが、TRPGのシナリオがそれだと困ります。何なら説明書みたいな味気ない文章でも結構なので、分かり易さを第一にして欲しいです。
と、辛口なシナリオ紹介になりましたが、セッション自体は楽しめました。
楽しみ方はシティーアドベンチャーとしてでなく、クローズドな館物シナリオ(別名お化け屋敷)の様なノリで楽しみました。出るとこ出て、あとは流れでみたいなノリ。部屋の中に入る前には聞き耳と罠感知を忘れずに。
最後は<もしもの備え>でダイナマイト投げまくりの、爆発オチで終了。悪い奴と恐ろしい儀式は、ニトログリセリンの前に吹き飛びました。
シナリオでは薬品で赤い石を破壊することを推奨してましたが、探索者からすれば、手間と危険は減らすものなのでこれでいいのです。
と言う訳で初のシステムである レイル・オブ・クトゥルー は終了です。
一緒に卓を囲んだ皆さん、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします